マッチョな黒人が歌い踊る「世界からのサプライズ動画」とは?
InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSで、マッチョの黒人やミステリアスな美女がたどたどしい日本語とノリノリのダンスで誕生日や記念日を祝う動画を目にしたことはありませんか。
こちらは「世界からのサプライズ動画」として、複数の外国人ダンサーが、誕生日や記念日のお祝いメッセージと祝福のダンスを動画内で披露するサービスです。
元々は2015年ごろに中国で発祥した「黒人が中国語でメッセージを送る」というサービスが、やがて各国向けにアレンジされ広まったと言われています。
日本では「世界からのサプライズ動画」と呼ばれることが多いですが、グローバル名は「World Surprise Video」となっており、他にも中国では「非洲祝福」台湾では「非洲客製祝福」アメリカでは「 Unique Wishes」もしくは「Greetings from Africa」と呼ばれています。
また、ヨーロッパでは「Wishes from Africa」韓国では「월드 서프라이즈 영상」オーストラリアでは「Surprise Greetings」スウェーデンでは「Wishes made visual」インドネシアでは「Jastip video ucapan Afpika」など、世界各国で人気を集めているサプライズ動画です。
世界からのサプライズ動画は怪しい?
GoogleやYahooなどのインターネットで「世界からのサプライズ動画」を検索すると、関連キーワードに「怪しい」という言葉があります。
怪しいという評判を調査してみたところ、一部の人は世界からのサプライズ動画を「人権差別ではないか」「搾取している」「無理やり働かせているのではないか」と怪しんでいることがわかりました。
世界からのサプライズ動画=怪しいという背景には、過去に世界的なニュースになったマラウイでの人種差別動画制作事件が関係していると思われます。
マラウイでの人種差別動画制作事件とは
「マラウイでの人種差別動画制作事件」は、中国人動画制作者がアフリカの子どもたちを利用して、人種差別的な動画を制作したことで発覚した事件です。
この事件はマラウイ南東部で発生し、主犯格の中国人男性は地元の子どもたちに中国語で差別的な発言をさせる動画を撮影していたとされています。
BBCの報道によれば、子どもたちは自分たちが何を言わされているかわからないまま、「私は黒い怪物で、IQが低い」などと叫ぶ内容の動画を撮影しました。このような動画は、中国のソーシャルメディアで購入者向けに販売されており、一部の動画が70ドルで取引されていたと報告されています。
これは無知な子供を利用した許されない人種差別であり、事件をきっかけに人種差別や児童搾取に関する国際的な非難が巻き起こりました。その後、この中国人男性は逃亡を試みましたが隣国のザンビアで逮捕されています。
中国政府もこの問題に対して差別を強く非難し、違法なオンライン動画の取り締まりを続けると表明しました。
この事件は、アフリカの貧困や社会的脆弱性に便乗した搾取の問題とも関連しており、国際的な人権問題として大きな注目を集めています。
この事件は日本でも報道されたため、一部に世界からのサプライズ動画=怪しい、悪いものというイメージが定着してしまったようです。
現在、日本国内で事業として世界からのサプライズ動画を提供している事業体はおもに3つあり、それぞれ健全なポリシーのもと運営されています。
世界からのサプライズ動画はSDGsの目標である「貧困をなくそう」に貢献している
世界からのサプライズ動画は、アフリカやエジプト、タイやウクライナなどの現地人に対して動画出演という雇用機会を生み出し、報酬を支払っています。
これはSDGsが掲げる目標である「貧困をなくそう」「働きがいも経済成長も」に貢献していると言えるでしょう。
世界からのサプライズ動画に出演する人の中には、本業として活躍している人も存在します。
世界からのサプライズ動画は、制作を依頼することで現地人に仕事を与え、地域経済の成長に寄与できるWin-Winの活動として注目を集めています。
世界からのサプライズ動画はインパクトを活かして被災地支援も行なっている
世界からのサプライズ動画は、SNSでの拡散力と一度見たら忘れられないインパクトを活かして被災地支援も行なっています。
2023年にトルコで大規模な地震災害が発生した際には、チャリティ用の世界からのサプライズ動画を撮影し、日本の人々に支援を訴えかけました。
実際のポストには多数のいいね、リポスト、コメントが寄せられており、MIYABI INTERNATIONAL INCが運営する世界からのサプライズ動画公式サイトでは、緊急支援募金の報告とお礼が掲載されています。
一般の方からの支援額15,775円とMIYABI INTERNATIONAL INCからの支援額15,775円、合わせて
31,550円を支援金としてトルコ大使館に寄付しました。
世界からのサプライズ動画はアフリカやエジプト、タイ、ウクライナなどの貧困層を動画出演料という形で支援するだけでなく、このように災害が起きた国へ支援も行なっています。
世界からのサプライズ動画を提供している日本国内の事業体1.MIYABI INTERNATIONAL INC
2019年より日本で世界からのサプライズ動画を提供している「MIYABI INTERNATIONAL INC.」は、台湾・新北市を拠点とするグローバル企業です。
「ミヤビインターナショナル」という同名企業がいくつかありますが、世界からのサプライズ動画を提供しているのは英語表記の「MIYABI INTERNATIONAL INC.」だけです。
MIYABI INTERNATIONAL INC.は私たち「世界からのサプライズ動画」を含め、この動画サービスを扱う業界全体での取り組みとして、収益の一部をアフリカの貧困層に直接寄付する活動を行っており、支援活動の様子をSNSアカウント(twitter、Instagram、YouTube)で発信しています。
アフリカはもちろん、エジプト、タイ、ウクライナの貧困層に動画出演という仕事を依頼することで、対価として報酬を支払っています。
MIYABI INTERNATIONAL INCは、単なるビジネスと一環のとしてサービスを立ち上げましたが、貧困層の人々と関わるうちにさまざまな問題と向き合うようになり、動画出演を通じて雇用創出や寄付など支援活動を行うようになりました。
世界からのサプライズ動画を提供している日本国内の事業体2.株式会社ソシャド
東京都港区浜松町にオフィスを構える株式会社ソシャドは、動画制作事業の一環として世界からのサプライズ動画を提供しています。
動画に出演しているチームは、ザンビア、マラウイ、エジプトなど多岐に渡りますが、子供を主演させることは一切なく、不当に労働させることはありません。
株式会社ソシャドの公式サイトには出演者(シャーマンマッチョチーム)へのインタビューが掲載されており、貧困から犯罪に走ってしまった人の更生を手助けし、出演料を支払うことで生活を支援している様子がうかがえます。
インタビュアー:今からいくつか質問していくから答えてくれ。まずひとつ目の質問だ。この動画サービスをどう考えてる?
メンバー1:そう、俺がこの動画サービスに思うことは、まずやってて楽しいってこと、そしてもし誰かがサービスにお金を使ってくれればそのお金はこの地域の人たちにも回るってことだ。
何が言いたいかって言うと、このサービスにネガティブな意見がある人もいるみたいなんだけど、でも俺たちのチームにはそんな問題はないんだ。
運営と撮影チームは動画の内容を厳しく審査しているし、そうやって俺たちを守ってくれてることがわかっているからね。
インタビュアー:うん、ありがとう。それじゃあ次の質問だ。日本のことはどれだけ知ってる?早かった君、どうぞ。
メンバー2:俺は日本の誕生日ソングが好きだぜ。日本の文化も好きだし日本って国が好きさ!
インタビュアー:いいぞ!じゃあなにか日本の言葉を言ってみてくれ。
メンバー2:任せてくれ。ガンバレヨ、オメデトウゴザイマス、とかどうだい?
インタビュアー:最高だな!じゃあ三つ目の質問だ。この仕事を始めてから生活は変わったかい?よし、後ろの君だ。
メンバー3:いい質問をしてくれてありがとう。質問の答えは、もちろんイエスだ。この仕事を始める前、俺は刑務所にいたんだ。でも今の俺は、すごくまっとうな人間だ。
今は家族と一緒に過ごせてるし、俺の人生はすごく平和になったんだ。この仕事のお陰ですごく幸せになれた。今、俺は一人前の男になれたんだ。
インタビュアー:ありがとう、めちゃ役に立ったよ。それじゃあ最後の質問だ。日本には君たちの動画を喜んでくれている人たちがたくさんいる。彼らにメッセージを頼むよ。じゃあ君、頼んだよ。
メンバー5:オーケイ、僕らの動画を観てくれてありがとう。すごく励みになってる。僕たちはこの仕事を張り切ってやっているし、この仕事でエネルギーを得てくれる人がいるのがすごく嬉しいんだ。
この仕事はみんなが幸せになれるものだと思うし、だから続けていきたいと考えてる。どうか僕たちのチームを贔屓にして、どしどし注文してほしい。
世界からのサプライズ動画を提供している日本国内の事業体3.一般社団法人WORLD SMILE
YouTube19万人、Twitter17万人、TikTok 13万人のフォロワー数を誇る一般社団法人WORLD SMILEは2021年より世界からのサプライズ動画を提供しています。
一般社団法人WORLD SMILEは、創設者が誕生日に友人から海外の知り合いに頼んで誕生日を祝うメッセージ動画をプレゼントされ、その動画をTikTok上で公開したところ話題となったことがサービスを提供するきっかけになったのだそうです。
自分が体験した喜びや楽しさを他の人にも味わってもらいたいという思いで、当初は999人限定で無料サプライズ動画を制作していましたが、事業にすれば現地の人の支援につながると気づき法人化。
満足に食事が取れない人・仕事がない人・学校に行けない人・元兵士などアフリカの貧困層を出演者として起用し、雇用の機会をつくっています。なかには世界からのサプライズ動画の出演が本業になっている人も存在し、SDGsの「貧困をなくそう」につながるアクションとして注目されています。
ちなみに、WORLD SMILEのような一般社団法人は営利を目的とせず、個人または法人が集まって共通の目的のために活動する組織です。
一般社団法人WORLD SMILEは公式サイトを持たず、注文は各種SNSに掲載されているリンクからLINEのお友達登録をして、トークをしながら注文を行う形になります。
世界からのサプライズ動画を提供している個人事業主には要注意
上記で紹介した3社以外にも、日本国内で世界からのサプライズ動画を提供している個人事業主が存在します。
このような個人事業主は、おもにSNSやフリマサイトで集客し世界からのサプライズ動画を格安で提供していますが、残念ながら不当な報酬で貧困にあえぐ人々を搾取している悪徳業者も存在するので注意が必要です。
世界からのサプライズ動画を依頼する際には、事業者として届出が済んでいる上記の3社に依頼すると安心でしょう。
世界からのサプライズ動画を利用した方の口コミ評判
世界からのサプライズ動画を利用した方の口コミやネットでの評判を集めてみました。
「身内の病気治療の応援の動画を依頼したらすぐに対応していただきました。喜んでもらえたし、彼らに負けないように元気になると言っていました。ありがとうございました」
「凄くいい関係だと思う。『ひろゆき』さんも称賛されている動画を見たことがあります。演者のニキ達も多分内容を分かってる(分かる努力はなさってると思う)だろうし、見ていて悪い感情になる人もいないだろうし、ウィンウィンな関係で素晴らしい!応援してます!」
「左のニキが終始にっこにこで凄くうなずいてるのかわいい!
こういう活動で関わる人全てが幸せになるのは本当にいいビジネスの仕方ですね。」
引用元:YouTube